飲み会、同窓会、プレゼン、朝礼、定例会、大人数でのコミュニケーションは、時に悩ましいものです。今回は、そんな大人数でのコミュニケーションにおける7つの悩みをピックアップし、解決策を提案します。
大人数でのコミュニケーションの悩み【7選】
- 大人数の中で折角話を振ってくれて発展しない返事をしてしまう
- 大人数の中でどこまで自分を出して良いのか分からない
- テンポが早くて考えてるうちにドンドン話が進んでしまう
- 他の人が話しているとどこで会話に参加して良いのか分からない
- 空気が読めてるのか心配
- 緊張していてウッカリ変なことを言ってしまわないか心配
- 話を振って貰わない限りほとんど黙ってる状態
大人数の中で折角話を振ってくれて発展しない返事をしてしまう
大人数の場では、話を振ってくれた相手に対して、短くても会話を続けられるような返答を心がけましょう。質問を返す、自分の経験を共有するなど、相手が反応しやすい返答を意識することが大切です。
大人数の中でどこまで自分を出して良いのか分からない
自分を出す度合いは、場の雰囲気や参加者の関係性によって変わります。観察力を養い、場の空気に合わせた適度な自己開示を心がけましょう。また、他人の意見に耳を傾け、共感を示すことも大切です。
テンポが早くて考えてるうちにドンドン話が進んでしまう
会話のテンポが速い場合、焦らず自分のペースで参加しましょう。話の流れに合わせて、短くても意見や感想を述べることで、自然と会話に参加できます。また、相手の言葉をメモするなどしてリスニング力を向上させることも効果的です。
他の人が話しているとどこで会話に参加して良いのか分からない
会話に参加するタイミングは、相手が意見を述べ終えた直後や、話の流れが一旦止まった瞬間が適切です。また、相槌を打ちながら、適切なタイミングで自分の意見や質問を挟むことで、スムーズに会話に参加できます。
空気が読めてるのか心配
空気を読む能力は、人間関係やコミュニケーションにおいて重要なスキルです。他人の表情や態度、話の内容に注意を払い、場の雰囲気に合わせた行動を心がけましょう。また、周囲の人とのコミュニケーションを大切にすることで、空気を読む力も自然と身につきます。
緊張していてウッカリ変なことを言ってしまわないか心配
緊張を解消する方法は人それぞれですが、深呼吸や瞑想、軽いストレッチなどでリラックスしましょう。また、自分に自信を持ち、失敗を恐れずに挑戦する姿勢が大切です。ミスをした場合は、笑い飛ばすことで場を和ませることができます。
話を振って貰わない限りほとんど黙ってる状態
話を振って貰わない限りほとんど黙ってる状態です 積極的に話題を提供し、自ら会話をリードすることで、黙っている時間を減らせます。また、他人の意見や話題に興味を持ち、質問や意見を積極的に投げかけることが重要です。
なぜこの様なことが起こるのか?心理学的に解いていきましょう!
【心理実験】大人数になると手を抜くのは当たり前だった
人間が集団で作業をするとき、1人で作業するときとくらべて「努力する量を減らそう」という心理が働くことがあります。
これを「社会的手抜き」リンゲルマン効果と言います。
「社会的手抜き」の実験で有名なのは、ドイツの農業技師であるリンゲルマンの綱引き実験です。被験者が単独で綱を引っ張る場合と、被験者が集団で綱を引っ張る場合とで、どれだけの力が加えられたかを客観的に調べたものです。その結果、集団のサイズが大きくなればなるほど、1人の人がロープを引く力が弱まることがわかりました。
綱引きを1人で行なったときの力を100とします。
2人の場合93%
3人の場合85%
4人の場合77%
5人の場合70%
8人になると49にまで半減してしまうそうです。
4人以上の場で話すのが苦手な人
「コミュ障」と聞くと「1対1が苦手」なことをイメージしがちですが、なぜ、「1対1」に苦手意識を覚えない人でも「人が増えると話しづらい」という、「複数コミュ障」ともいえる状態に陥るのでしょう。
脳科学的には、4人以上で話すのが苦手と思うのは「コミュニケーション能力」の問題ではなく、「前頭葉の処理能力」による事が大きい問題です。
会話をしている間、誰かが話すと、それを聞き、相づちを打ったり、自分が発言したりして反応します。すると、それにまた相手は反応します。「会話」というのは、こういう「言葉と思考の応酬」で、相手の話を聞いて理解するのも、自分の意見を言葉にして話すのも、すべて脳が行っている作業。会話中、脳はそれらを処理すべく、フル稼働しているのです。
人数が増えると、当然ながら話す人が増え、入ってくる情報も増えます。さらに、「誰に話すのか」という選択肢も増えます。ということは、脳が処理すべきことが増えるということになり、1対1の「脳がなんとなく処理できる」範囲を超え、処理が間に合わなくなって言葉が出てこなかったり、相手の話にうまく反応できなかったりするのです。
「脳の処理能力と数」の実験
数字とストレス
「人の購買意欲がかき立てられるのは、ジャムが店頭に何種類並んだときか」を調べたジャム売り場での実験で、スーパーの試食販売でジャムが「24種類並んだとき」と「6種類並んだとき」で、どちらが売り上げが伸びるのかを調査しました。
その結果は驚くべきものでした。
より多くの人が集まってきたのは「24種類並べたとき」でしたが、その中からジャムを購入したのはわずか3%の人たち。逆に、「6種類並べたとき」には、集まった人の30%がジャムを購入し、購入した人の数も「24種類」のときと比べて6倍以上多かったことがわかったのです。
選択肢が少ないほうが売り上げが伸びたのには、まさに脳の処理能力が関係しています。人間の脳は、選択肢が増え、処理が追いつかなくなると大きなストレスを感じ始めます。脳はこの「ストレス」が大の苦手。こういう状況になると、「だったらやめた」とすぐにあきらめてしまいます。脳は性格上、かなりわがままなのです。
脳は「3」までは耐えても、「4以上」はNG
この「脳の処理能力」が追いつかなくなるのは、いったいどこからなのでしょうか?この「前頭葉の処理能力」の境界線が「3」と「4」の間にあると思います。
たとえばオフィスビルの1階でエレベーターがなかなか来ないとき。目的階が2階や3階なら「階段で行くか」という気にもなりやすいですが、4階だと「ちょっとしんどいな。エレベーターを待つか」となりそうです。
ミュージシャンでも、2人組の「B’z」はボーカルが稲葉浩志さんでギターが松本孝弘さん、3人組の「Perfume」はのっち、あ~ちゃん、かしゆか。ところが4人組になると途端にあいまいになりだし、国民的バンド「ミスチル」でさえ、「全員はわからない……」となりがちです。
ほかにも「トップ3」とはいっても「トップ4」とはいいませんし、またオリンピックでも金、銀、銅、記憶に残るのは大体3位まで。「3大欲求」など「3大○○」とはよくいいますが、「4大○○」とはあまり言いません。
「LINEグループ」は4人以上集まるとうざくなる
連絡ツールとして定着した「LINE」でも同様の傾向がみられます。
「3人」のLINEグループなら、なんとなくメッセージがきても気楽に返せるのですが、「4人」のグループになった途端、「連絡がいっぱい来る」感じがして面倒くささが一気に増し、反応するときも「この人には返したから、こっちにも返信したほうがよいかな」と気を使って気疲れしてしまいます。
大人数の会話と愛着障害
3~4人以上になると極端に黙り込む大人は愛着障害を克服できていないかも?
潜在的に誰かへの愛を強く求めている人は、自分へ会話がフォーカスされていない時間帯を「愛されていない」と決めつけ、会話が盛り上がっている相手に憎しみのような感情を覚えます。
首を縦に振って、相手の話を面白く聞くことだってできるわけです。例えば、3人で話していて、2人だけが盛り上がっている時に「いいね!二人盛り上がってるね!ってことは、2人は〇〇とかも好きなんじゃない?」と楽しめる人と、逆に黙り込んで心の中で「はぁ?あたし置いてけぼりやし、死ねばいいのに」と怒りに満ちる人と2通りに分かれます。
3人以上になると極端に自己愛をコントロールできない人は、総合的な成長が必要です。自尊心や自己効力感を高めて、愛着への障害を克服していくと、それだけで、3人以上の会話が、まるっきり違う感覚で、とても楽しみを見出せるものになります。
大人数の会話苦手を克服する方法
コツ1:自問自答するような独り言(オウム返し)を漏らしまくる
リアクションを含めて、独り言を増やすのは非常に効果的です。「えっと、そういうことかー。ってことは、あれにも生かせそうだなー」みたいに、自問自答するように独り言を漏らしていると、相手が自然に話しかけてくれる可能性が高まります。
それだけではありません。自分がその場で言葉を発することがより自然になっていくんです。なので、自然に会話に割って入るチャンスを掴みやすくなります。大人数の会話は、「自分が自分と話す」という行為が効果的なのです。
「静」から「動」のコミュニケーションは人間は無理で「動」から「動」のコミュニケーションが大事なのです。
コツ2:隣の人だけに話題をふる
グループでの会話というと、話題は全員に投げかけなくてはいけないと考えがちです。しかし、話題は全員に投げかける必要はありません。
間を割って同一の話題を全員に投げかけることは難易度が高いうえに、投げ掛けた後の処理も大変です。誰が何を返すかも予想不可能で、大人数になればなるほど慣れていないと対応不可能になります。
そこで、隣の人をまずターゲットにしていきます。あなたが隣の人だけに話題を投げかけて会話が弾めば、次第にそこに注目が集まります。結果、話題が3人、4人と広がり、全員がその話題で盛り上がるなんてこともあります。
この「隣の人だけに話しかける」テクニックはうまくできるようになると、どんな場でも対応できるようになるため、ぜひ試してみてください。
コツ3:質問役に徹する
普段は聞き役に徹しておいて、会話が途切れそうになったら話題を提供するくらいの意識でもいいのかもしれません。しっかり話を聞き、質問内容を2つくらい考えておき、会話が途切れたベストタイミングで質問をする。
質問役になるメリット
①自分で長々話す必要がない!
②言葉は発しているので存在感を出せる!
③話を振ってもらいやすい!
コツ4:意識を変える(リフレーミング)
「大人数の会話だと1人当たりの話す量は少なくなるし、『自分も話さなきゃ!』って焦らなくてもいいんです。
大人数の会話に苦手意識をもつ人がいる一方で、「自分は少人数の会話よりもラクで好きかな」との声や、「人が多いと無理に発言をしなくていいから、頭を使わなくて済むし自分に合ってる」「1対1の会話の方が『沈黙が続いたらどうしよう!』っていうプレッシャーがあって苦手」と打ち明ける人も少なくありません。
確かに大人数の会話は基本的に途切れることがないため、率先して発言する必要がないというメリットがあるかもしれません。そのほか「逆に少人数で話してて会話が止まったら、どうやって盛り上げたらいいの?」と悩む人も多いです。
このように、考え方によってはマイナスがプラスに働くことをリフレーミングと呼びます。
聞き上手になれると大人数の会話が得意になる
ひと言で「コミュニケーションスキル」といっても、会話には「能動的なコミュニケーション」と「受動的なコミュニケーション」がある。
例えば少人数での会話に求められるのは、自分から話題を振っていく「能動的なコミュニケーション」と言えます。一方で多人数の会話では、会話の流れを円滑にする“相槌”のような受動的なコミュニケーションが必要。
そのため能動的なコミュニケーション(話好き)が好きな人は「少人数では話せるのに、大人数だと話せない」といった人が一定数いて、受動的なコミュニケーション(聞き上手)が好きな人は大人数では居心地が良いが、少人数だと話せない人もいます。
大人数のコミュニケーションを克服するための考え方
まずは、人はそれほど自分の話を聞いていないし、ずっと覚えているはずもない、というように軽く考えてみることです。
また、グループでの会話には、会話をひっぱるリーダータイプや、サービス精神旺盛な盛り上げタイプがいるはず。大人数の前で話すのは苦手だと感じるのなら、無理に発言する必要はありません。
「話そう」とするのではなく、その場の雰囲気作りに「参加しよう」とする姿勢が大切です。聞き上手や相づち上手は十分会話上手だと言えますよ。
大人数のコミュニケーションを克服するための役割分担の理解
役割分担
お笑いのテレビの撮影では、司会者(クリームシチュー上田さん、さんまさん)がいて、ひな壇芸人さんがいて、それを聞いてるだけの観覧者(お客さん)がいます。もう少し引いてみるとカメラマンさんなどもいます。
これを大人数の中での、役割に当てはめると、、、
司会者は「話を回す人」
ひな壇芸人さんは「話を聞いて、話す人」
お客さんは「聞いてリアクション取る人(笑う)」
カメラマンは「写真を撮る人」
あなたは、どれが一番大事だと思いますか?
答えは、みんな1番大事なのです。全て大事な役割を持っています。誰一人かけてもこの撮影は上手くいきません。
実は大人数の中では司会者は簡単???
司会者とひな壇芸人さんは必要ですよね。ただ聞いてるだけのお客さんのリアクションも大事だし、それを撮っているカメラマンも大事なんです。
お客さんのリアクション次第で、司会者やひな壇芸人さんの気持ちを大きく左右しますよね。お客さんは実は収録が始まる前にリアクションの練習をしているのご存じでしたか?なので聞いてるだけではなくリアクションを気にしながら聞き役に徹してみてください。
それと意外とカメラマンも重要で、その大人数での記録係としての役割があり、今の時代ですとSNSにあげるのでカメラマンは重宝されます。
実は一番頭を使い難しいのは、「話を聞いて+話す」ひな壇芸人さんで、意外と簡単なのは「話を回すだけ」の司会者なんです。司会者は一番その場を回しているように見えて、話が終わりそうだなと思ったら次の話題を振る準備さえすればいいだけですので意外と簡単なんです。
さんまさんは話し上手ではない
お笑い界のドンであるさんまさん、世間一般の人は、「話が面白い」「トークや切り返しが上手」など、さんまさんはトークの達人だと思っている人が多いと思います。でも、ちょっと改めて考えてみてください。
ゲストの話に対して、
・歯を大きくむき出して最高の笑顔で、
・テーブルをたたいたり、手をたたいたり、大きなリアクションをとり、
・高いテンションでその場や周りを明るくし、
・「ほうほう!」と大きくうなずいたり相槌を打ってくれて、
・「それでどうなったんや?」と前のめりで話を聞いてくれる!
さんまさんは、とんでもない聞き上手の達人なのです。つまり、聞き上手の人は、相手を喜ばせることができるということです。