アンコンシャスバイアスとは?
アンコンシャスバイアスとは、「無意識の偏見・思い込み」を意味する言葉です。
「自覚しない、無意識の」を意味する「unconscious」と、「偏見、先入観」を意味する「bias」が組み合わさってできました。アンコンシャスバイアスは、過去の経験や日々接する情報、周囲の意見などから無意識のうちに形成されます。アンコンシャスバイアスは「誰にでもある」もののため、日常生活や職場などさまざまな場面で見られるとされています。
代表的な例としては、「男性/女性は、当然●●であるべきだ」「若者/高齢者は、▲▲な人ばかりだ」といった無意識の偏見・思い込みがあります。
日常に起こり得るアンコンシャスバイアスの典型的な例を6つご紹介します。
正常性バイアス
危険的状況にあっても「自分には関係ない」と思い込むこと。
・地震や洪水などの自然災害が起こると聞いても、自分の住んでいる地域ではないと思い込んで準備を怠る。
・喫煙が健康に悪いと知っていても、自分は病気にならないと信じて続ける。
・交通事故のニュースを見ても、自分は運転が上手いから大丈夫と思い込む。
・パソコンのセキュリティに無頓着で、自分は被害にあわないと思い込む。
・コロナウイルスの感染拡大について聞いても、自分は感染しないと思い込む。
確証バイアス
自分の仮説・信念の正しさを証明する情報ばかり集めること。
・好きな政治家の意見を支持し、その正しさを証明する情報ばかり集める。
・ダイエット法を選ぶ際、自分が信じる方法の効果を裏付ける研究結果だけを集める。
・株式投資で自分が選んだ銘柄の良いニュースだけを集めて、その銘柄を買い続ける。
・自分の子どもが優れていると信じて、その証拠となる出来事や情報だけに注目する。
・SNSで自分の意見に賛同する人たちだけをフォローし、異なる意見に目を向けない。
慈悲的差別
少数派に対する「好意的だけど勝手な思い込み」をすること
・障がい者に対して、自動的に助けが必要だと決めつけて接する。
・外国人に対して、言葉が理解できないと思い込んで簡単な言葉を使う。
・高齢者に対して、技術に疎いと決めつけて説明を省略する。
・ゲイやレズビアンに対して、悩みを抱えていると思い込んで同情する。
・女性に対して、家事が得意だと決めつけて仕事の話題を避ける。
アインシュテルリング効果
慣れ親しんだ考えが一番と思うこと
・子どもの頃から飲んでいる地元の水が一番美味しいと信じる。
・自分が使っているスマホのブランドが最も優れていると信じる。
・長年愛用している洗剤が他の新しい商品よりも効果的だと思い込む。
・幼いころから親しんだ伝統的な医療が現代医療よりも効果的だと信じる。
・自分が学んだ教育方法が最も効果的だと思い込み、新しい教育方法に抵抗する。
ステレオタイプバイアス
性別・年齢などの属性ごとの特徴を決めつけること
・若者は技術に強く、高齢者は技術に疎いと決めつける。
・女性は感情豊かで、男性は理性的だと決めつける。
・アジア人は数学が得意で、アフリカ人はスポーツが得意だと決めつける。
・肥満の人は怠け者で、スリムな人は努力家だと決めつける。
・金髪の人はパーティが好きで、黒髪の人は勉強熱心だと決めつける。
ハロー効果
好意・親近感を覚えた相手に関する「すべてのこと」を好意的に捉えてしまうこと。
・好きな俳優が出演する映画はどんな内容でも面白いと感じる。
・友達がオススメするレストランは、料理がおいしいと信じる。
・好きな著名人が推薦する商品は質が高いと思い込む。
・人気のある先生が教える授業は理解しやすいと感じる。
・親しい人が勧める旅行先は楽しいと期待する。